ヘルプデスク外注のメリット・デメリットは?費用相場や選び方を解説

「日々の問い合わせ対応に追われて、本来の業務が全く進まない」「担当者が退職したら、誰も対応できなくなってしまう」。このような悩みを抱えていませんか。
本記事では、そんなお悩みを抱える方へ向けて、ヘルプデスク業務の負担を軽減する「外注(アウトソーシング)」について、メリット・デメリットから費用の相場、失敗しない業者の選び方まで網羅的に解説します。
1. ヘルプデスク外注(アウトソーシング)とは?対象となる業務範囲
ヘルプデスクの外注を検討するにあたり、まずは自社のどの業務が委託可能なのかを整理することが重要です。ここでは、外注の対象となる主な業務範囲を2つに分けて解説します。
社内向けヘルプデスク(情シス・総務の負担軽減)
社内向けヘルプデスクとは、自社の従業員からの問い合わせに対応する業務です。
具体的には、パソコンやシステムの操作方法に関する質問、パスワードのリセットといったアカウント管理、新入社員用のPCセットアップ(キッティング)などが含まれます。
これらの業務を外注することで、情報システム部門や総務部門の負担を大幅に軽減できます。 その結果、社内インフラの整備やセキュリティ強化といった、より生産性の高いコア業務に集中しやすくなります。
社外向けヘルプデスク(カスタマーサポート・顧客対応)
社外向けヘルプデスクとは、顧客からの製品やサービスに関する問い合わせに対応する業務です。
操作方法の案内やトラブルシューティング、クレーム対応などが主な業務となります。顧客と直接接する窓口であるため、企業の顔として高い対応品質が求められます。
専門的なスキルを持つプロに外注することで、顧客満足度の向上やブランドイメージの維持・向上が期待できます。
2. ヘルプデスク外注の主な運用形態
ヘルプデスクを外注する際の運用形態には、大きく分けて3つの種類があります。自社の状況やセキュリティ要件に合わせて、最適な形態を選ぶためのポイントをご紹介します。
運用形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
オンサイト型 | 自社に常駐して対応 | ・密なコミュニケーションが可能 | ・コストが高め |
オフサイト型 | 遠隔地からリモートで対応 | ・コストを抑えやすい | ・現場での直接対応ができない |
ハイブリッド型 | 両者を組み合わせて対応 | ・コストと品質のバランスが良い | ・業務の切り分けや管理が複雑になる |
オンサイト型(常駐型)
オンサイト型は、委託先のスタッフが自社のオフィスに常駐して業務を行う形態です。
現場で直接対応できるため、実機を見ながらのトラブル解決や、社内スタッフとの密なコミュニケーションが可能です。緊急時の迅速な対応が求められる場合や、社外に持ち出せない機密情報を扱う業務に適しています。
ただし、オフィス内にスペースを確保する必要があり、他の形態と比べてコストは高めになる傾向があります。
オフサイト型(リモート型)
オフサイト型は、委託先のコールセンターやリモート環境から業務を代行する形態です。
自社で設備や座席を用意する必要がないため、オンサイト型に比べてコストを大幅に抑えやすいのが最大の特徴です。
また、遠隔地で業務を行うため、万が一自社のオフィスが災害に見舞われた際でも対応を継続できるという、BCP(事業継続計画)対策としてのメリットもあります。
ハイブリッド型
ハイブリッド型は、オンサイト型とオフサイト型を組み合わせた柔軟な運用形態です。
例えば、「基本的な問い合わせの一次対応はコストの安いオフサイトで行い、現地での作業が必要な高度なトラブル対応はオンサイトのスタッフが行う」といった運用が可能です。
両者のメリットを活かし、コストと対応品質のバランスを取りたい企業におすすめです。
3. ヘルプデスクを外注する5つのメリット
ヘルプデスク業務を外部に委託することで、企業は様々な恩恵を受けることができます。ここでは、外注によって得られる具体的な5つのメリットをご紹介します。
担当者の負担軽減とコア業務への集中
最大のメリットは、日々の問い合わせ対応から解放されることです。
ヘルプデスク業務は突発的に発生することが多く、担当者のスケジュールを大きく乱す原因となります。外注によってこれらの業務を手放すことで、本来注力すべき戦略的な業務や生産的な活動にリソースを集中できるようになります。
採用・教育コストの削減
自社でヘルプデスクの専門スタッフを採用し、育成するには多大な時間とコストがかかります。
外注を利用すれば、すでに専門知識と高いコミュニケーションスキルを備えたプロの人材を即座に確保できます。採用活動にかかる費用や、新人教育の手間を大幅に削減できるのは大きな魅力です。
業務の属人化解消と標準化
「特定の担当者しか対応手順を知らない」という属人化は、多くの企業が抱える課題です。
外注を導入する過程で、業務フローの可視化やマニュアル化が必ず行われます。これにより、誰が対応しても一定の品質を保てる標準化された体制が構築され、担当者の不在時や退職時のリスクを減らすことができます。
対応品質と顧客満足度の向上
委託先のスタッフは、問い合わせ対応のプロフェッショナルです。
豊富な経験とノウハウに基づいた丁寧で的確な対応により、問題解決までのスピードが上がります。顧客や社内ユーザーのストレスが軽減され、結果として顧客満足度や社内の業務効率の向上につながります。
夜間・休日や多言語など柔軟な対応が可能
自社の人員だけで、24時間365日のサポート体制を維持するのは非常に困難です。
多くの外注サービスでは、夜間や休日対応、さらには多言語でのサポートオプションを用意しています。グローバル展開を進める企業や深夜帯のトラブル対応が必要なサービスにとって、強力なバックアップとなります。
4. ヘルプデスク外注のデメリットと失敗しないための対策
ヘルプデスクの外注には多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべきリスクも存在します。ここでは、想定されるデメリットと、それを回避するための具体的な対策をご紹介します。
情報漏洩のリスクがある
ヘルプデスク業務では、顧客の個人情報や社内の機密システムにアクセスする機会が多くなります。
外部の人間がこれらの情報に触れるため、情報漏洩のリスクはゼロではありません。
対策として、委託先がプライバシーマーク(Pマーク)やISMS認証を取得しているかなど、セキュリティ体制を契約前に厳しくチェックすることが不可欠です。
社内にナレッジが蓄積されにくい
業務を完全に丸投げしてしまうと、どのような問い合わせが多く、どう解決したかというノウハウが社内に残りません。
将来的に内製化へ戻す際や、製品の改善に顧客の声を活かしたい場合に支障が出ます。定期的なレポートの提出を義務付けたり、定例ミーティングを設けたりして、対応履歴やナレッジを共有する仕組みを構築しましょう。
想定以上にコストがかかる場合がある
外注すれば必ずコストが下がるわけではありません。
契約内容によっては、問い合わせ件数が予想を上回った場合の超過料金や、時間外対応のオプション費用などで、予算をオーバーしてしまうことがあります。
自社の過去の問い合わせ件数を正確に把握し、業務量に見合った料金プランを選ぶことが重要です。
5. ヘルプデスク外注の費用相場と料金体系
ヘルプデスク外注の費用は、依頼する業務の範囲や対応時間によって大きく変動します。ここでは、予算確保の目安となる2つの主な料金体系と相場についてご紹介します。
月額固定型の特徴と相場
月額固定型は、毎月決まった料金を支払うプランです。
あらかじめ対応件数や稼働時間の上限が設定されており、その範囲内であれば追加費用は発生しません。毎月の予算管理がしやすいのが最大のメリットです。
相場は業務内容によりますが、一般的な社内ヘルプデスクであれば月額10万円〜30万円程度が目安となります。ただし、問い合わせが少ない月は割高になる点に注意が必要です。
従量課金型の特徴と相場
従量課金型は、実際の問い合わせ対応件数や稼働時間に応じて料金が変動するプランです。
1件あたり数百円〜数千円といった形で単価が設定されています。利用した分だけの支払いとなるため、無駄なコストを抑えやすいのが特徴です。
新製品のリリース直後など、時期によって問い合わせ件数に大きな波がある企業に適しています。
6. 自社に合ったヘルプデスク外注先の選び方
数ある代行業者の中から、自社に最適なパートナーを見つけるためには、いくつかの重要な基準があります。ここでは、失敗しない外注先選びのための3つのチェックポイントをご紹介します。
対応可能な業務範囲と運用形態の確認
まずは、自社が委託したい業務をカバーしているかを確認しましょう。
社内向けか社外向けか、対応してほしい時間帯(夜間や休日は必要か)、希望する運用形態(オンサイトかオフサイトか)など、要件を明確にします。
自社のニーズと業者の提供サービスにズレがないか、事前のすり合わせが非常に重要です。
セキュリティ対策・情報管理体制
前述の通り、情報漏洩リスクへの対策は最重要項目の一つです。
システムのセキュリティが堅牢であることはもちろん、オペレーターに対する情報管理の教育が徹底されているかどうかも確認しましょう。 また、セキュリティ認証の取得状況は客観的な判断材料として役立ちます。
同業種・同規模での実績と対応品質
業者の過去の実績を確認し、自社と似た環境での運用経験があるかを見極めます。業界特有の専門用語やシステムに慣れている業者であれば、導入がスムーズに進みます。
また、可能であればトライアル期間を利用したり、実際の対応音声のデモを確認したりして、オペレーターの応対品質を直接確かめることをおすすめします。
7. まとめ
ヘルプデスク業務の外注は、担当者の負担を軽減し、企業全体の生産性を向上させるための非常に有効な手段です。採用や教育にかかるコストを削減しつつ、プロの対応による顧客満足度の向上も期待できます。
一方で、情報漏洩のリスクや社内ナレッジの空洞化といったデメリットも存在します。これらのリスクを正しく理解し、自社の要件に合ったセキュリティ体制と実績を持つ業者を慎重に選定することが、アウトソーシング成功の鍵となります。
まずは自社の現状の課題と業務量を整理し、複数の業者から見積もりを取ることから始めてみてはいかがでしょうか。
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